◆フィンランドの英語教育

前回の投稿でフィンランド人の英語力の高さについて
お話ししましたが、本当にTVやゲームだけの影響❓

確かにTVの影響力は絶大だとは思いますが、
フィンランドの英語教育も忘れてはなりません🤓

フィンランド人の英語力は海外TV番組の
字幕スーパーのおかげ✨なんて言ったら
現場の指導者たちに怒られちゃいますよ💦

それでは、フィンランドの英語教育の変革について
簡単に見ていきましょう😄

🚩1970年まで=Grammar Translation Method 

母国語(英語→フィンランド語)に訳しながら
語彙や文法を主に学ぶスタイルでした。

🚩1970年代=Audio-lingual Method

模倣と復唱に焦点を当てた徹底的な反復練習で、
フレーズを覚えるまで何度も声に出し練習する
手法が取られていました。
型を定着させることが目的だったため、
間違えは訂正され正確さを求められていました。

🚩1980年代=Communicative Approach

自分の意志や情報を伝えるための
コミュニケーション能力を養成することが重要視され、
グループワークやペアワークが多く取り入れられました。
正確さよりも流暢さが重視され、
間違えの指摘は極力避けられるようになりました。

🚩1990年代=Intercultural Competence

英語でのコミュニケーションには、
異文化理解(社会的・文化的)が不可欠と言う
考えが普及し、Authentic languageに触れることの
大切さが認識され始めました。
*教育目的に作成された英語教材と、実際に使われている
英語には乖離があるため、生の英語(現地の新聞やチラシ、地図等)を
授業に取り入れることが必要だと考えられ始めました。

また、講師の役割は生徒の発話を促すための
ファシリテーターという位置づけになりました。

🚩2000年以降=Pluricultural Competence 

ネイティブスピーカーを目指すのではなく
レベルを問わず複数の言語ができることを
肯定的に捉えるようになりました。

また、CEFR(セファール:欧州議会が定めた
6段階の英語力基準表)をさらに独自に10段階に細分化した
指標が導入され、英語4技能において小・中・高・大学と
それぞれのステージで求められる能力が明確に
示されるようになり、英語教育の一貫性が
保持されるようになりました。

このようにフィンランドの教育方針は
定期的に見直されており、
社会的背景と共に変貌を遂げているのです💡

文法メインの教育を受けていた
40代より上の層の世代のフィンランド人は、
(1980年以前の教育を受けていた世代)
30代以下の層と明らかな英語力の差があります🤔

私が日本で受けた英語教育はと言うと。。。
文法や翻訳が中心で会話練習なんて
した記憶がほぼありません。。。
それって、フィンランドの1970年以前のやり方❓苦笑
そりゃ、苦労しますわ…🤣

そんな日本でも、2020年の学習指導要領の
改訂がありましたね👍

小3から「活動型」の英語(聞く・話す)で
慣れ親しむところから始まり、
小5から「教科型」の英語(読み・書き)にシフトし、
中学の英語授業は基本全て英語で行われることになり、
高校では4技能を総合的に学ぶかつ発信力を強化し、
大学受験では外部検定試験を活用した4技能を評価する
動きが始まったりと大幅な教育改革です✨

ぱっと見た感じだいぶ改善されてますね!
保守的な国の割にはかなり思い切った舵きりで、
これがどう結果として今後表れるか楽しみです🙂

ちなみに、フィンランドの教育に関して
他にも興味深い話があるので共有させてください❗

🚩フィンランドの義務教育は学費に留まらず、
 給食費・教材費・文房具代までもが全て無料です。

🚩フィンランドには塾・予備校が存在しません!
 学校以外の勉強はすべて自宅学習だそうです。
 そして、学校間によるレベル差もなく
 「進学校」という概念もないんだそうです。

🚩フィンランドの学校の年間授業数は190日程度と
 日本より40日程度も少ないゆとり教育です。

🚩フィンランドで教員になるには修士号が必要です。
 また、教員は社会的地位が高く人気の職業で、
 大学の教育学部の倍率は10倍にもなります。
 教育実習も半年と長く、これらが教員の
 質の高さに繋がっていると考えられています。

🚩フィンランドには検定教科書制度がなく、
 教材選択は全て講師の裁量に任せられています。
 英語に関して言うと、学校で学ぶ語彙数や
 文法項目までもが現場の教員の裁量だそうです。
 どんな方法であれ、最終的にCEFRに基づいた
 英語力基準表で求められているレベルに
 到達すれば問題ありません。

🚩フィンランドの図書館利用率世界一位の
 読書大国と言われています。
 (一人当たり年間21冊借りている計算)
 読書の習慣がフィンランド人の読解力を
 養うことになり、さらにはフィンランド人の
 言語能力の高さに繋がっているのかもしれません。

どうでしたでしょうか?😎

フィンランドの英語教育から日本も学べることが
あるのではないでしょうか❓